Course introduction
講座紹介
講座長あいさつ
地域/公衆衛生看護は、地域で生活する個人・家族、そして集団・組織、コミュニティ・社会のすべてを対象に、看護学・公衆衛生学を基盤とした知識や技術を用いて、その健康の保持増進と安寧という目的のために、行う看護活動です。また、個人家族への個別ケアから地域の健康課題を見出し、社会に働きかけ、施策化・政策化により社会の健康づくりを行うという特徴があります。
活動自体は普段の生活の中では見えにくいのですが、地域のあらゆる健康レベルの人々を予防の視点で支援する看護活動は、地域を支える重要な基盤といえます。また、この度の新型コロナ感染症によるパンデミックや災害といった健康危機が起きた際には、普段からの地域における看護活動の質が支援に大きく影響すると感じます。
超少子高齢化社会のわが国では、現在地域共生社会に向け地域包括ケアシステムの構築が進められていますが、地域/公衆衛生看護活動は、普通の生活と健康を衛る活動であり、ケアシステムの基盤としてもますます貴重な分野になると確信しています。
これからも本講座で積み重ねた様々な知見をぜひ地域の皆様と共有し、より健康な地域づくりに貢献したいと考えています。
講座の主な教育内容と活動
本講座は、学部での基礎教育における地域看護学と専攻科での公衆衛生看護学、大学院看護学研究科での地域・在宅看護学研究を教授し、専攻科では保健師養成教育を担っています。
学部における地域看護学は、地域で生活する、様々な健康レベルの個人・家族・小集団・地域(コミュニティ)を対象とし、これら対象の持つ多様な健康課題に対応するために、一次-三次予防の観点から各対象の健康状態のアセスメント及び支援技術を教授します。また、課題解決に向けた各種機関との連携・調整や保健医療福祉に関連する法律や施策について理解を深めます。
専攻科における公衆衛生看護学では社会的公正の理念のもと、複雑な課題をもつ人々への支援、組織支援、コミュニティ支援および健康危機管理や健康政策について学修を深め、公衆衛生看護学における実践と研究を教授します。
大学院研究科においては、地域/公衆衛生学に関連する多様な地域の健康課題解決に向けた研究方法を教授します。
本講座では、学部・専攻科及び大学院において、講義・演習・実習を通じて、地域/公衆衛生看護の学びを深め、発展できる、未来の教育・研究職や社会でリーダーとなる人材を育成します。
また、講座教員独自のテーマによる研究活動や自治体・各種団体等との共同研究の実施、そして研修への出講等の地域貢献活動も行っています。